日が昇るたびに僕は考える

日々読んでいる本の感想や日常の出来事から考えたことをつぶやいています。

読書録(64 横山秀夫 文藝春秋 2012)

元新聞記者だなと思わせられるような記者クラブと警察内部の事情が描かれている。記者クラブと広報の関係はどこもベッタリという印象しかないが、この関係性がこの話の中では記者クラブに事件の容疑者を匿名で発表したことから、関係性が決裂したことが前半部分を占める。前半部分は、刑事部から警務部に異動し、広報官に着任した主人公の刑事部への連綿とした思いと娘の失踪をきっかけにキャリアの部長に借りを作ったことで思うように働けないジレンマ、部下との衝突、妻との関係などがもやもやと続いていく。

 

後半部になり、話は急展開を見せ、内部にばかり目を向けていた主人公がようやく被害者に目を向けたことで、行動が変わっていく。揺るがない信念ができると人間はこれだけ強くなれるんだろうなと思わせられる。その後、64の「幸田メモ」を解明した後は一気に読むことをやめられなくなった。様々な人がとった不可解な動きも全て解明されていき、一気にクライマックスまで怒涛のようだった。

 

前半部分はいまいちだったけど、後半部分の面白さはこの前半部分がないことにはなかったんだろう。面白かった。

 

64(ロクヨン)

64(ロクヨン)